Web 2.0の主役がWebブラウザでありつづけるとは限らない

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0609/21/news042.html
おもしろかったけど、Webブラウザに期待しすぎ、という感もあるかな。
MMORPGGoogle Earthのように、クライアント・サーバ型アプリケーションのクライアント側に、リッチクライアントを採用するアプローチも、今後は延びていくはずだと思うので。
GMailを始めとする新世代WebアプリでのJavaScriptの利用範囲拡大により、Webブラウザに表現力が増してきたことから、ユーザビリティを向上させたWebアプリケーションが増えてきたのは確か。この記事で取り上げられているGoogle SpreadSheetなど、Webブラウザでよくもここまで、というものもでてきている事は、知識として知っておいても損はないように思う。
ただ、そうはいっても、もっさりしていて重い、という感じを常に感じるのも事実だ。ネットワークアクセスが頻繁に発生するなど、Webブラウザの仕様に制限されている面も多いのだろう(このへん今後もう少し調べてみるべきかも)。むろん、昔のJavaアプレットほどひどくはないので、人によってはそれで十分、ということもあるかもしれない。でも、いま普及しているアプリケーションを(長期的に)代替するほどの、使い勝手がそこにあるかどうかは、一度考えてみた方が良さそうだ。
とすると、少々強引な考え方かもしれないが、「サーバ側にロジックとデータを置く」Webアプリケーションの思想と、「クライアント側に一定水準のユーザビリティを確保する」旧来型アプリケーションの思想の折衷案として、リッチクライアント型のアプリケーションが、中長期的にはそれなりの割合で定着していくのではないか、と思う。
この議論は、Microsoftが、.NETでリッチクライアントを普及させることに成功していない現状では、あまり説得力がないかもしれない。結局、個々でクライアントアプリケーションを作ることになるため、その手間の多さから作り手側から敬遠されている面はあるだろう。
そういう意味では、現在Webアプリケーションで普及してきた強力なフレームワークが、リッチクライアントの世界に登場するかどうかが、リッチクライアント時代を招くかどうかの鍵になるのかも。
少なくとも、Web 2.0の主役がWebブラウザでありつづける必然性はない(この著者も認識しているだろうとは思うけど)。Ajaxは、今後進化していくだろうと思うけど、その一方で、Javaアプレットのように、時代の徒花になる可能性についても、常に頭の隅に置いておいたほうがよいと思う。