都教委通達は「違憲」の地裁判決

まあ妥当な判決。国旗・国歌についてはきちんとすべき、という人がいるのも分かるけど、この件については違憲であることを認めるべきではないかと。たとえば、ちょっとSFっぽくなるけど、変な宗教団体が、何かの間違いで選挙に勝利し、都の政治を掌握したとする。市民の多くも、それなりにその宗教団体には好意的。新都知事の方針により、卒業式には、宗教団体の理念を表す旗を掲げ、宗教団体の歌(日本国に否定的な内容)を歌うことが強制されたとする。そんなとき、日本国を愛するあなたは、国への愛情を持ちつつも、式を守り、宗教団体の言うままにするかどうか。
言いなりにする人が多数派になるかもしれないけど、どうしても飲めない、という人もいるはず。その時、やはりなんらかの形で抵抗することになると思うのですよ。少なくとも、自分はこのやり方を拒絶する意志くらいは表明させてほしい、と。
わたしは、思想・信条の自由、というのは、国家がどんな方向にいったとしても、そこにブレーキをかけられる可能性を残す、という意味で非常に重要だと思う。考え方が違うから、といって排斥されていってしまうような社会でいてしまうと、たとえ国家が滅亡するような方向に向かっていくとしても、止められないことになってしまう。極端な例だけど、北朝鮮のような国家って、自分の力で健全な方向に戻ることはできないでしょう?国家が持つべき様々なブレーキを失ってしまうと、どんなにおかしな社会になったとしても、自分で止まれなくなってしまう、いい例だと思うのだけど・・・。
まあ、そんなわけで、どんな思想的スタンスに立つにしろ、今回の地裁の判決は尊重すべき、と思うのです。国家万歳!と言えることだって、思想・信条の自由がなくては保障されない、ということを、常に忘れてはいけない、と思うのです。