マジコン販売差し止めについて

http://plusd.itmedia.co.jp/games/articles/0903/02/news041.html
最近は、おもちゃ屋にマジコンを買いに行く親子がいるんだそうで。事ここに至ってしまっては、任天堂としても対処せざるを得ない、というのが実際の所なんでしょう。「マジコンが世の中にあるのに、ゲームをわざわざ買うような奴は負け」という状況を放置しておけば、任天堂といえどもソフトが売れなくなって潰れてしまいますからね。
とはいえ、現状では、「泥棒」が海外に分散して存在しているために、攻撃する事が困難であり、かつ現状の著作権法で、「泥棒から分け前をもらう(海賊版をダウンロードする)」ことが違法ではない、という、解決が非常に困難な状態にあります。下手に戦いを仕掛けて負けようものなら、その場で「ジ・エンド」になりかねないため、今回任天堂は相当周到に準備をし、絶対に勝てるよう準備を整えてから戦いに臨んでいるはずです。

レッシグの「CODE」に載っている、人や社会をコントロール手段の分類「市場・規範・法・コード」(参考:結城さんのサイト)を使うと、今回の任天堂のアプローチが理解しやすくなると思うので、以下に書いてみます。

  • 法→「不正競争防止法」を用いて、"プロテクト外し"に絞って、マジコン業者を攻撃する(ただし、業者に大ダメージを与える事は困難であることも、任天堂は分かっているはず)。経済産業省などに働きかけて、この手のコピーを規制するための法案を作る。
  • 規範→ニュースで「マジコン」が違法であるとアピールする事で、利用者の「良心」にじわじわと訴える。これは予測だが、今後は少年誌やテレビ番組など、各種子供向け媒体でキャンペーンをして、マジコンは違法なツールであるというメッセージを出していくんじゃないかと。
  • 市場→この点については、「マジコン」の"無料"が強力過ぎるため任天堂からはアプローチをかけられない状態。
  • アーキテクチャ→「マジコン」の販売を差し止める事で、少なくとも入手をそれまでよりも困難にし、「マジコン」の入手を諦めさせるようにする(とはいえ、根本的な解決は、コピーガード機構を備えた形で次世代NintendoDSを出す以外にはないはず。そう考えると、最近出たDSiのネットワーク対応は、次世代のNDSでネットワーク認証を行うための布石とも考えられる)。

以上を纏めると、今後は、メディアを使った「マジコン=悪」というキャンペーンや、経済産業省への法制化の働きかけを行いつつ、次世代NintendoDSの開発を行って行く、というのが任天堂の基本姿勢となるんじゃないか、というのが私の個人的な予想になります(PSP2が今年中に出るという話もあるので、たぶん次世代NDSの登場もそんなに遠い未来の話では無いでしょう)。