Linuxをサーバ用途ではなく、クライアントとして日常的に利用されている方に質問です。 Windows(2kとXPに限定)と比較してクライアントとしての優位性や魅力をどこに感じますか? なお無料である、ウイルスのターゲットがWinだからなどというものではなく、実際に利用し続けていくうちに、これははずせない、なくてはならないというものを知りたいです。

http://q.hatena.ne.jp/1175922127
わお。僕のためにあるような質問だ、それっ答えないと、と思っていたら既に締め切られていてorz。なので、はてダ上で勝手に回答してみる。

  • デスクトップに3D機能が搭載されている(最新のディストリに限る)

最新のディストリビューションの多くでは、3Dデスクトップ(Compiz, Beryl)に対応している。Aeroが短冊をウリにするように、Compiz/Berylでは、立方体にデスクトップ画面を表示する演出をウリにしている。特に、コミュニティによって急速に開発が進むBerylはかなりカスタマイズ可能な項目が多く、ウィンドウを炎で燃やすなどの派手な演出が可能。

Windows VistaMac OS Xではフォントにアンチエイリアスが効いているが、Linuxでもここ数年にリリースされたものだとアンチエイリアスをサポートしている。くっきりしてとても見易い。

  • 仮想デスクトップが標準で使える。

仮想デスクトップ機能とは、1つのデスクトップ上で、複数の画面を切り替えて使えるようにする機能。画面AでWebブラウザを最大化しつつ、画面Bでメールをチェックする、といったことが簡単にできる。ツールを使えば、Windowsでも使えるが、OS標準でないだけに若干不安が残る。Linux上のデスクトップ(X.org)ならば、標準機能として使えるため、特に意識する必要は無い。

  • ウィンドウデザイン/アイコンの選択肢が多い。

GNOMEを使う場合であれ、KDEを使う場合であれ、ウィンドウデザインやアイコンは、複数の候補から自由に選択することができる。しかも、配布サイト(gnome-look.org, kde-look.org, art.gnome.orgなど)から様々なデザインのウィンドウデザインやアイコンをダウンロードすることができる。Windowsでも可能だが、この手のデザイン変更ツールが一般的では無く、かなり敷居が高い。

Linuxでは、OSの標準シェルとしてbashを使っている。これは、Windowsコマンドプロンプトと比べて非常に高機能で、プログラミング能力も結構ある。各種ファイルの管理や、定期的に実行したい作業などは、シェルを始めとするUNIX機能で効率化/自動化できる。

  • 頻繁なアップグレード

アップグレード頻度が高いディストリビューションである、Fedora Coreは、約半年に1度、OS一式をバージョンアップする。Fedora Coreは、2003年に最初のバージョンがリリースされて以来、すでに5回のバージョンアップをしている。バージョンアップごとに新機能が追加されるため、約半年に一度、わくわくしながら自宅のPCをアップグレードできる、というお楽しみがある。

  • ソフトウェアの入手が簡単

Linux向けのソフトウェアはそれほど多くは無いけれど、その一方で、配布サイトに出向かずともyumやaptなどのパッケージ管理ツールを使うことで、欲しいソフトを簡単に検索、ダウンロードできる。


あと、今のところはまだうまいこと使いこなせていないけど、今後はSELinuxキラーコンテンツになるはず。

  • SELinuxによる強力なセキュリティ

SELinuxは、システム上の権限を徹底的にコントロールするLinuxの標準モジュール。もともと米軍の軍事機密を守る現場で使われていたものであり、セキュリティレベルは極めて高い。ただ、かなり繁雑で設定の難度が高いため、なかなか一般には普及してこなかったけれど、ツールが成熟してきているため、以前と比べると導入の敷居はかなり下がっている。
デスクトップ用途にしぼって考えるなら、Webブラウザやメールなどのユーザデータを格納する場所をきちんとアクセスコントロール設定し、かつ、他の箇所のアクセス権限をユーザから極限まで奪うことで、ちょっとやそっとのスパイウェアなんかではびくともしないシステムができあがる(はず。その分普通のソフトをいじるときもいろいろと面倒ありそうだけど)。
ワープロソフト」と「表計算ソフト」と「Webブラウザ」と「メーラー」さえ使えれば良く、かつ、情報漏洩の危険は極限まで減らしたい、というような会社さんなんかなら、セキュアに設定されたLinuxデスクトップを入れることが最適解になる、ということも十分にありうる(あと、LinuxだとWindowsほどいろいろソフトはないので、従業員がヘンなソフトを入れる、というリスクを回避できる、というメリットもある)。


と、まあいろいろ書いてはみたけれど、やっぱり何より「UNIXである」ということが一番大事なのかも。あとは「古くさくない」というのも重要(そういう意味では、Mac OS Xもアリ)。せっかく自宅のマシンは好きに使えるのだから、Windowsを後生大事に使わなくてもいいんじゃないかなあ?とは思うな。
とりあえず、メール受け取り専用マシンとして使ってみる価値はあると思う。まず滅多な事ではウィルスにやられないので、それだけでかなりPC生活の安心度が上がるよ。