Winny開発者有罪判決について

asahi.comで判決要旨を読んでいて思ったのは、「あれ?じゃあなんで有罪なの」という一点かな。
http://t2.txt-nifty.com/news/2006/12/winny_05fd.html

 (追記) 司法担当が豊富な同僚から指摘があった。<結論ありきで判決を作ったモンだから、ああなったんだと思う。 要旨を読む限り、論理が破綻している。「むやみに幇助犯の適用範囲を拡大してはいけない」といいながら、直接結びつきのない主犯との間の幇助の成立を無理矢理認めてしまった。「利用者の大半が違法利用であることを承知し、放置し、さらにソフトをばらまき続けた」と。これは実はヤバイ判決だったりする。> うん、あの判決要旨は本当に分からない。いったいどっちなんだと。

やっぱり結論ありき、トップダウンで判決を作ったんじゃないかなあ、と。
ファイル共有ソフトの開発について、刑事裁判として裁く事が困難であった事は、判決要旨のあちこちから読み取れる。技術開発自体は悪くない、というメッセージも伝わる。「じゃあなんで有罪なの?」となると、判決文的にはOKなんだろうけど、そう書かなければならない必然性が全然伝わってこない文が続く。
法律解釈のテクニックの巧拙ではなく、そのテクニックが通用しないところでどのような判断をするか、というところで、非常に不満が残った。憲法に踏み込んで判断するか、というとそういう面倒な(?)ことをする風でもないしなあ・・・。でもさ、感覚的な、もしくは政治的な基準がメインになってしまうのでは、裁判所が裁判所としての権限をあたえられる意味が無いんじゃない?何というか、挑発的な表現をすると「裁判官の判断力ってこんなもの?」と思わされた判決だった。
(追記:一部の文末表現を整えました 2006/12/16)