今後、docomoからもiPhoneが発売されるに違いない、と確信する理由

docomoiPhoneに投げキッス投げまくりの図。
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0806/20/news143.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0806/23/news076.html
振られた恋人に未練たらたらの図を見ているようですが、なんだかんだいっても日本におけるケータイの圧倒的なリーディング・カンパニーである、docomoの前社長と新社長が両方とも揃って、公式にiPhone穫りを発言している、という事の意味は、実は相当重いように思います。
そういえば、SoftBankiPhoneの発売を公式に発表した時には既に、「独占契約でないので、docomoからも出る可能性がある」というコメントが、各メディアから聞かれました。普通のケースなら、いくら「独占」という単語が付いていないにしても、実質的にSoftBankの独占、というニュアンスでのコメントが、もっと聞かれてもよいはずなのに。オフレコレベルでは、まだまだdocomoにも相当のチャンスがある、という情報が流れているのかもしれません。
さて、私はdocomoからもiPhoneが出るんじゃないか、と見ています。それもかなり高い確率で(個人的には80%以上ではないかと思います)。
なぜかというと、SoftBank内でiPhoneの利用者を増やしただけでは、ビジネスを展開できるだけの規模のプラットフォームには、到底なり得ないからです。大ヒットにより、100〜200万台売れる、などという予想も聞かれたりしますが、それでも、たかが100〜200万台にすぎない、ということです(1900万ユーザのうち、携帯にたんまりお金を使う事が出来て、かつ、スーパーボーナスの割賦販売をこのタイミングで終了できて、かつ既存の"ガラパゴス"なサービスを躊躇なく止められるような人って、さすがに多数派ではないと思います)。
そもそも、コンテンツプロバイダの立場で考えたときに、100万台で販売台数が頭打ちとなっているプラットフォームに、5000万台の加入者を抱えるdocomoよりも優先して参加する理由は、果たしてあるでしょうか。規模にして1/50、つまり2%しかありません。しかも、iPhoneはそもそも維持費が高いために、ユーザのサイフのヒモが緩むということは、あまり期待できません。FlashJavaも使えて、課金制度も成熟し、ユーザ数も圧倒的なdocomoのプラットフォームを後回しにしてまで参加したがるコンテンツプロバイダが、そうそう出てくるとは思えないのです。約450万のユーザを抱えるWillcomでさえ、公式サイトにまともなコンテンツがほとんど無いのですから、それより参加者の少ないiPhoneに、沢山のサービスが集まるとは到底思えないんです(海外のサービス/アプリケーションが爆発的に流行るとも思えませんし)。
少なくとも、Willcomの契約者数を超えるぐらいのプラットフォームにならないと、そもそもビジネスにしようという人が集まらず、日本でのサービス展開が空回りに終わってしまう危険があります。Appleとしてもそれは避けたいはず。とすると、ユーザ数を稼ぐ上では国内最大のキャリアであるdocomoは避けて通れないはずなのです(auは通信規格がdocomoSoftBankと異なるので除外)。
docomoからiPhoneが発売されれば、おそらくそれだけで200〜500万台を売りさばく事が出来るでしょう(発売までに勢いが落ちていなければ、ですが)。そうすると、合計で500万台の突破も見えてきます。500万台以上普及している上り調子のプラットフォームともなれば、お金の匂いに敏感なコンテンツプロバイダがやってきて、iPhoneの周囲をお金が周り始めるようになる事は間違いありません。そうなることで、ようやく既存のiモードなどに対抗できる勢力として、認知されるようになります。というか、まず、そこまで行かないと一時の流行で終わってしまい、Appleのブランド力が大きく低下、という結果になってしまいかねません。
ですから、AppledocomoからもiPhoneをリリースする事で、iPhoneプラットフォームの普及を急ぐ必要があるはずです。もちろん、先に契約するSoftBankの顔を潰すような事はしないと思われますので、おそらくは数ヶ月してからの発表になるだろうとは思いますが、それでも、docomoからのiPhone発売が、遠い未来になるとは到底思えないのです。