はてなに「二軍」を設けてみるとか。

ついていけなくて辞める、という日記を読むのはちょっと辛い。自分を重ねそうになるからなのかな。

はてな」エンジニアのid:ryokoは、エンジニアにおいて、まだ、その域に達していないと自ら判断し、本日付で退職いたしました。

 来月からは外の人に戻り、はてなを応援をしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

平成19年6月30日

http://d.hatena.ne.jp/ryoko/20070630#1183212590

今回の件で、id:ryokoという人が辞めたのは、ボーナスの額そのものよりも、周囲との実力のギャップのほうに原因があったんだろうと思う。「まだ、その域に達していないと自ら判断し」という一文にそれが表れているのではないかと。なんというか、中学校ではエースで4番の少年が、名門校の野球部に入部したものの、練習についていくことすらままならない状況で、3ヶ月で野球部を退部する、そんな印象を受けた(あくまで印象ですよ。実際の所は分からないので)。
ただ、こういう状況になったのは、はてなの人材評価の枠組にも一部原因があったんじゃないかな、とも思ったので、ちょっと書いてみる。

2005年秋に、はてなではボーナスの支給額を決めるのに少し変わった取り組みを行いました。14人の社員がそれぞれ自分を含めた全社員を点数で評価し、さらにその点数を元に集計を行って支給額を算出しました。

各社員の評価は今期の会社への貢献度を元に100点満点で行い、最も貢献したと思う人を100点にし、そこから相対的に全社員を評価していきます。業務内容が違うために評価が難しい人については空欄にでき、他の評価者に判断を委ねる事ができるようにしました。

社員どうしでボーナスを計算する - jkondoのはてなブログ

この方法は、

  • 成績上位のメンバーには、とても心地よい
  • 一方成績下位のメンバーには、(外から見える以上に)苛酷な

システムだ、と思う。そして、その傾向はメンバーの数が増えると加速するだろう、とも思う。
10人かそこらのメンバーならば、全員に厳しく評価されたとしても、凹むだろうけど、さほど大きなダメージは受けないだろうと思う。でも、これが例えば30人だとどうだろう。フェアに評価された結果、29人に「この人はダメ」と評価される状況だとどうだろう(正確には序列と人数は直接一致しないので、何人に低く評価されているかは分からないみたいだけど)。これは、想像するだけでいたたまれなくなる。そういう状況下で、人間って頑張れるものなのかなあ。特別な人でもない限り厳しい、と思うんだけどどうだろう。
勝手な提案になるけど、はてなで上手く結果が出せていない人向けの緩衝地帯として、プロ野球なんかで言う「二軍」を設けるのがいいんじゃないかな。十把一絡げに低く扱う代わりに、一人一人のメンバーをどこまでも追い詰めないようにする。そして、ローリスク/ローリターンの環境下で、結果を出すことよりも能力を伸ばしたり、はてなの業務にアジャストすることに注力させるようにする。例えば以下のような感じで。

  • 賃金は組織内の基準から見て、かなり低く設定
  • 評価基準は「一軍に値するか否か」のみ
  • 評価基準に達し、かつ本人が望むなら、その後は「一軍」に昇格

また、27位から25位を目指すような努力を繰り返すよりも、ある程度感覚的に共有されているであろう基準(例えば、1人で新サービスの立案からはてラボリリースまでを行うとか)をクリアするために努力する、という方が、努力しやすいんじゃないか、と思う。
長々と書いてしまった。外野なのになんでこんなに気にしちゃうんだろう、と、ここまで書いて思った。もしかすると、そんな親しみやすさ、というかツッコミやすさが、はてなの魅力なのかな。