Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(後編)

http://japan.cnet.com/column/web20/story/0,2000054679,20090424-4,00.htm
ようやく後編の日本語訳が公開。ありがとうCNET Japan。英語版は前にちょろっとかじり読みはしてたんだけど、日本語訳を読んで、ようやく「Web 2.0」の意味がすっきりと理解できてきた、という感じがする。
8つのデザインパターンが提示されているけど、大雑把にまとめると、「継続的にアップデートし続ける、ユーザ参加型のWebサービス」ってところか。
要は、洗練されてきた現在のWebの世界は、こういうものですよ、ということを、バージョン2.0という表現で示したものなんだろう。Webという手垢のついた言葉で、新しい概念を提示してしまう、Tim O'Reillyのネーミングセンスは、正直凄いと思った(その割に、O'Reilly本のタイトルがことごとくダサいのは不思議でしょうがないけど)。
それにしても、プログラマブルなインタフェースを公開することが、Web 2.0のサービスにとって重要な意味を持つということは、情けないことに言われるまで気づかなかった。アマゾンがWebサービスAPIを公開したときは、正直「ああ、技術企業に住んでるハッカーのみなさんがなんか自己顕示欲をいっぱいに示してくれてますよ」としか感じられなかったのだ。
Webサービスという単語が出て久しい(最近はSOAとかいう単語に化けたんでしたっけ)が、まだまだ異種システムの連携がスムーズにいくとは言いがたいのが現状だ。だから様子見をするというのではなく、「連携機能は、連携したいと思う人たちに、自分達で実装してもらう」と、発想を逆転させればよかったのだ。
今後は、Web系サービスを提供する業者達の間で、「Web 2.0」的な方向を志向するものが少し流行るんじゃないか、と思う。ガチガチに作りこんだ巨大アプリケーションよりも、課金・セキュリティ機能以外は完成度を必ずしも重視しないサービスが増えてくるんじゃないだろうか。「Web 2.0」という馴染みやすい、けれど本質をついたコトバが登場したことで、日本でも(ようやく)新しい流れに乗ろうという機運が、少しは出てきそうだ。