【集中連載 通信と放送の融合】(4)コンテンツ・プロバイダへ転身,USENはGyaOで主役に躍り出る?(閲覧にはIT Pro無料登録が必要)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20051026/223586/
そっか。楽天があんなに必死にTBSを狙うのは、GyaOの成長性、将来性を目の当たりにしたからなのか。言われてみればそりゃそうだ。爆発的に登録者を増やし続ける今のGyaOを見れば、「このままじゃいられない」と危機感を募らせるのも分かる。

2005年4月25日のサービス開始からわずか半年だが,10月26日現在で326万。2日で10万のペースで増加し続けている。

2日で10万人のユーザー増加、というから恐ろしい。「3年後には三木谷が言ったことが正しかったということになる」という発言もうなずける。それどころか、このスピードなら、1年もあれば状況は激変しているといっても過言ではない。
まだ多くのコンテンツホルダー、通信事業者が様子を見ているこの時期に、一気に勝負に打って出た、という点では、楽天はもっと評価されてもいい。ライブドアがフジテレビを手に入れようとした件とは、構造こそそっくりなものの、意味するところは全く違うのだから。
ただ、そんな大勝負に際して、楽天はいつもと同じように、「強烈なプレッシャーをかけて、短時間で相手に決断を迫り、自分たちにとって有利な条件を飲ませる」というアプローチ(例1, 例2)を取ってしまった。これが結果としてまずい方向に行ってしまった。
今まで相手にしてきた、加盟店やネットユーザーと違い、今回は放送界の巨大企業。外堀は完全に埋めたはずが、いざ動き始めてみるとあっという間にほころびが見えてきてしまった。気がつけば、経済ニュースレベルからワイドショーネタのレベルにまで降格。「楽天、倒産するんじゃないか」と哀れみの目で見られるようなところまで追い詰められてしまった。
勝負の結果がほとんど出てしまったところであれこれ言うのもどうかと思うけど、なんで楽天よりも組織力のある在京キー局に、半ば強盗まがいの脅しをかけるような、軽薄なやりかたをとったのか、という点はどうしても気になって仕方が無い。M&Aを繰り返してきた会社だから、どういう事業を作り上げていくべきか、という想像力が欠落していた、ということなのだろうか。それとも他に決定的な理由でもあったのだろうか。普通に考えれば、GyaOのビジネスモデルをそのままパクっても結構いいところまでいけそうなものなのに・・・。
この先、ほぼ確実に楽天はTBSから手を引くだろう。業務提携もほとんどないに違いない。さてその先、楽天はどうやって放送と通信の融合に取り組むのだろうか。それとも、完全に手を引いてしまうのだろうか。いやそれ以前の問題として、楽天はちゃんと倒産せずに運営し続けられるのだろうか。そういう意味で、今後の展開がとても気になる。