天国はまだ遠く (ISBN:4104686018)

自殺しようと山奥の民宿に入った女性が、ふとしたきっかけから一命を取りとめ、自然の中で自分を取り戻していく、っていう話。
物語の多くを占める、千鶴と田村さんの会話がいい。リズミカルでユーモラス。そしてほんのり暖かい。仲のよい夫婦みたいな感じ(ちょっと妄想入ってるかも)。何度も読み返してしまう。
ラストもとてもよかった。小粋な感じで、決して嫌味じゃない。高尚な文学でも、泣かせる小説でもないけど、ちょっと心にしみるいい物語だと思うよ。