雨はコーラが飲めない (ISBN:4479681566)

「雨」という名の飼い犬と、音楽についてのエッセイ集。
江國香織の文章を読むのは結構大好きなので、今回も楽しみにしていたのだけど、ちょっと空回り、という感じだった。いつもは上品な化粧をしている女の人が、すっぴんでいるのを見てしまった、という感じ。
飼い犬の描写は面白いんだけど、音楽についての語りがピンとこなかった。自分が感じたままを書いている印象を受ける。たぶん、音楽について書くのはあまり得意じゃないんじゃないかな。近田春夫みたいに、専門用語を破綻無く使いこなすことが出来れば、また広がりもあったのかもしれないけど。
以前読んだ絵本のエッセイ「絵本を抱えて、部屋のすみへ」が面白かっただけに、ちょっと残念。