ニートになるには、多分才能が必要。だから仕事をした方がよい。

ニートの叫びが増田に載ってました。いろいろ思うことがあったので、自分のブログに書いてみます。これから書くのは単なるチラシの裏なので、ムカついたら他のページに飛んでください。
http://anond.hatelabo.jp/20100505064333
この叫びが誰にとも無く「お前ら」と語られている事から、たぶんこのニートさんは相当つらくなって、自責の念に耐えられなくなって書き込んだんだろうなあ、と感じました。実際には、ニートに対しての温度差は人によってまちまちのはず。少なくとも元ニートで、今働いているようなタイプの人は、単純にニート即悪、という決めつけはしないはずです。それでも、社会全体から責められているように感じてしまう。多分、精神的にはかなり追いつめられているんだろうなあ、という事が伝わってきます。分析の方向がずれてたらごめんなさい。
ニートが苦しいならどうするか。一番簡単な対応策は、自分を「求職者」としてカテゴライズを変えて、就職活動をする事だと思います。バイトへの就職活動でもいいので。目指すバイトはどんなに簡単なものでもいいし、そのバイトに採用されなくてもいい。自分の能力が足りないから採用されない、ということでも問題無し。できれば1日1回程度、できなければ1週間に1度程度からでもいい。とにかく活動を始めてみればいい。そう思います。
あ、「つべこべ言わずに就職活動しろ」と言いたい訳ではないです。「現実を直視せよ」と言いたい訳でもないです。とりあえずそれは先に書いておきます。
ニートは、「生産的活動を何もしていない」という事の責任を、構造上全て自分が背負う必要があります。そもそも、自分がダメな理由を責められる相手が、自分しかいないのですから。ある意味個人事業主のようなものです。(で、その状況を受け入れられるならば、多分それでいいんです(社会的にどうすべきか、という議論は別として))。でも、そういう人ばかりではない。むしろ、そうでない人の方が、多分圧倒的に多いはずなんですよね。ニートさんが必死に増田に書くくらいですし。
普通の社会人は、「不況だから」とか「仕事が忙しいから」とか「会社の構造上」とか「客(上司)が○○言うから」とか考えて、仕事のせいにする事ができます。でも、ニートにはそういう逃げ場が無く、自分が(自分から見て)ダメな結果になった理由を、本質的には自分に持って行くしか無いんです(もしくは親とか近親者といった身近な人のせいにするとか)。現実逃避と自責(の末に親を責めるケースも多そうですが)を繰り返して、時間が過ぎてしまい、デフレスパイラルのように苦しさがどんどん積み重なってしまう。

でも、自分で自分と戦えるようなタフネスなんて、それこそ哲学者のようなプロフェッショナルでも無い限り持てるものでは無いと思うんです。私も含めて、世の中の圧倒的多数の人は、ちょっとした事で簡単に心が壊れてしまう弱い人間です。ちょっとしたきっかけで、結構簡単に心がコロっといってしまいます。そんな弱い人間が、自己の認識を常に否定し続けるような、一種修行僧のような生活をするなんて、無理に決まってるじゃないですか。仕事した方がずっとまし、というモノです。
おそらく、パソコン/インターネットの現実逃避ツールとしてのアビリティが高いから、苦しさを凌ぐ事ができているだけで、実際に苦しくないニートなんてほとんどいないと思います(苦しくない、と言えるニートこそ真のニート、新時代ニートとして大切にするべきでしょう。無責任な発言ですけど)。
なので、プロニートになれない私たち凡人は、ニートになろう、ニートのままでいようなどと高尚な事等考えず、とりあえず適当に仕事探しに行き、成功して働くにせよ、失敗して仕事探しを続けるにせよ、アクションを起こすのが、精神安定上得策と思われます。「不況のせいで仕事になかなか就けない」って言えるだけでも、楽じゃないですか。
もちろん、仕事自体が楽、ということは無いと思います。しかもバイトとか非正規社員だと自分を否定される事も多いのではないか、という不安もあると思います。実際、自分を否定される事もあるかもしれません(ないかもしれませんが)。でも、それに対しては絶対に「自分だけが悪いんじゃない」と(心の中で)言えるんです。それは、個人がどんな問題を引き起こした場合にせよ、全てが1人の問題に起因する事は、原理上絶対に無いからです。
自分の精神の中で、自責の念との激しい内線を繰り広げるぐらいなら、とりあえず仕事探しに出て、仕事をしてみる方が、(大変な事は多いだろうと思いますが)確実に楽なんじゃないかと思います。大変になればなるほど、むしろニート時代の重しが取れて楽になるはず。だからニートを辞めたい人は、とりあえず「不況のせい」に出来る状況を作ってみるとよいのではないかと、勝手な事を書いてみたりするのでした。