DBエンジニアが常に不足している理由

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ITエンジニアの数ある職種の中でも、DBAは際立ってつぶしの効く職種だと思います。なぜなら、

だけでなく、

  • OSをはじめとするコンピュータ/OSに関する知識
  • SQL全般に関する知識
  • アプリケーション・アーキテクチャに関する知識

も必要ですし、実際に重要なデータを扱う環境で得た、

  • 大量のデータを扱ったパフォーマンスチューニングの経験
  • H/Wエラーなどによって生じるトラブルへの対処経験

も求められるため、一朝一夕に一人前にはなれません(他にもいろいろと条件はあるかもしれませんが)。知識も経験も必要となる仕事なので、そうそうその領域にたどり着ける人がいないのです。しかも、他の仕事と比べて、トラブル対応の時などに「データを失ってはいけない」という強烈なプレッシャーがかかるため、かなりのタフネスが要求されます(正直私もDBエンジニアにならない?と言われても、腰が引けそうです)。
本来なら、こういった、スキルもメンタルも要求される専門家は学校で育成すべきなんでしょうが、まっとうな情報システム開発専門学科がほとんどない日本では、残念ながらDBAとしての即戦力が大学から出てくることはほとんどありません。なので、現場では、DBAの育成をOJTに頼らざるを得なくなってしまいます。
ただ、小さい会社ですと、長期的な視点に立った人材育成というのがなかなか機能しないため、DBエンジニアのように特化した職種担当の育成は後回しにされがちになりますし、大きな会社になりますと、現場の技術職よりもプロジェクト管理者を育成したがる傾向があるので、当然DBAの育成、ということはあまりなされません(大規模プロジェクトを運用するために最低限必要な数ぐらいは育成しているものですが)。
結果として、多額のお金をかけられるような大規模プロジェクトでもない場合、たまたま開発を通じてDBに関するいろんな経験を積んできたような人が開発現場に居れば、それでも何とかなる事が多いのですが、そうでもなければ、冒頭のページでふれられているような、ひどいDBの扱いがなされてしまう事になるのです。