セカンドライフ最大の功績は、IEの呪縛から人々を解放したこと

「今後10年間のウェブ潮流を10の要素からひもとく」というCNET Japanの記事が面白かった。
http://japan.cnet.com/column/rwweb/story/0,2000090739,20357424,00.htm
Webの世界にこれからやってくる変化について、よくまとまっている。
ただ、仮想世界のくだりはなんとも・・・。セカンドライフの対極にある仮想世界として、XBOX Liveに触れているのは興味深いが、若干散漫な印象がある。ネットを使ったゲーム系の配信サービスなら、Wiiなんかも十分面白いわけで(まあ、ユーザ数はXBOX Liveのほうが世界的にはすごいはずだが)
僕の中では、セカンドライフで唯一重要なのは、それが非Webブラウザ・アプリケーションであること。ただそれだけ。なんだけど、それがこれからの10年では大きな意味を持つんだろうな、とは思ってる。大半のWebアプリケーションは、Ajaxなんかでリッチに構築されるようになってきたとはいえ、所詮紙ペラ的な、2次元インタフェースのアプリケーション。貧弱なインプット・アウトプットに縛られているわけだ。
そこがセカンドライフの登場で曲がりなりにも変わる余地が出てきた。ある意味これは、仮想空間へのインターネット・ブラウザである。紙ペラてきな思想に世界されたインターネット・エクスプローラと違い、プレイステーションのような表現力で私達に大量の情報をインプット・アウトプットさせてくれるようになるだろう(現状はまだまだだけど)。
なんとなくだけど、ネット空間上での「時間」と「場所」の意味が、これからはさらに増してくるように思う。「今日の18:00に、XXという個所で記者会見を行います」とか。書いていてネットゲーム的だな、と思うけど、逆にいうと、いわゆるWeb 2.0とは無縁とされていた、ネットゲームの文法が、現実のネットに持ち込まれるような気も、ちょっとだけしている。
実際に、現実世界に影響が出てくるのは、「セカンドライフの次」あたりなんじゃないかと、ぼんやり思う。現状のセカンドライフは、インフラが十分構築されていない(低スペックのPCが多い)ことや、そもそもあんまり面白くないことから、今のところ本当にブレイクするとは思えない。3〜5年後、状況が変わった頃に、もっと刺激的なサービスが表れて、状況を一気に変えてしまうような気がする。案外XBOX Liveがそれになっちゃったりするかもしれないけど。はたしてどうなることやら。