初音ミクが見せてくれたインディーズ楽曲のこれから

初音ミクにはやられた
ヤバい。「みっくみくにしてあげる〜。」が耳について離れない。著作権フリー(?)なのに、これほどまでにクオリティが高いとは。
以下、ニコニコ動画YouTubeのURLを転記
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1097445
http://www.youtube.com/watch?v=6XEMMV77tCM
それにしても、YouTube登場時にお題目として言われていた「Broadcast Yourself.」が、日本でこんなに早く具現化するとは、さすがに思わなかった。「初音ミク」の登場と、私的録音録画小委員会による著作権監視強化の表明によって、事態が一気に進んでしまった感はあるな。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1033536.html (痛いニュースのURLをのっけとく)
いい曲をいかにして見つけるか
今回の騒動を見ていて思ったんだけど、これからは、インターネット上で自由に使える(クリエイティブ・コモンズライセンスで表明済みの)楽曲の勢いが増していくのかもしんないな。お金を払わなくてもいいし、使っても悪者扱いされないし、DRMソフトウェアの縛りもないし、何より簡単にアクセスできる。お金を払いたくなったら、カンパに応じればいい(別にそこまで貧乏じゃないし)。
私見だけど、日本は、結構インディーズの層が厚い国だと思ってる。ちょっと友達のつてをたどると、「高いクオリティで曲を作れるけど、プロになるつもりは無い」という人が結構出てくるし、実際、ネット上にもインディーズの(それもクオリティの高い)楽曲があふれるほど存在する。ただ、多くの人が、これまで目を向けてこなかっただけ。
それはそのはずで、大量の楽曲コンテンツから、いい曲を選別するのは、それはそれで大変なこと。インディーズといっても、プロ級から、クラブ活動級まで色々あるからだ。よくわからないカラオケみたいな曲を聴くのは苦痛、というのも(失礼な話かもしれないが)、ある。今まではレコード会社が「新人を発掘」し、「育成」し、「メディアに露出」させるという手順を踏むことで、ユーザが探す苦労を代替してくれてきた。僕たちは、テレビやラジオをつけるだけで、一定以上のクオリティの楽曲に、簡単に触れることができたわけだ。
でも、今回のニコニコ騒動で、僕たちは「ユーザの(閲覧数という形での)投票による選別」によっても、レベルの高いインディーズ楽曲に触れることが出来ることに気づいた。これが一番大きいと思う。レコード会社抜きでも、優れたコンテンツに直接アクセスできる。そういう状況が生まれつつある。
インディーズ楽曲とWeb 2.0の融合
もちろん、今は、インディーズの楽曲サイトにアクセスして、すぐに自分の嗜好に会った楽曲を見つける、という状況には、まだ無い様に思う。それなりに仕組みは整備されているけど、まだまだ「聴いてみないとなんともいえない」、というところがあったので。ただ、一般サイトでいうところの「はてなブックマーク」のような、アルファブックマーカー(選別者)とホットエントリ(選別結果)の仕組みが整備されてくると、状況が変わるように思う。レコード会社ではなく、ユーザが「集合知」で良い楽曲を見つけ出す、Web 2.0的な仕組みだ。
今後は、「集合知」ベースでもいけるんじゃないか、と思うもうひとつの理由は、「はてなブックマーク」でいうところの「ブクマコメント」、つまり一言コメントが、一種のレビューとして機能すると思うからだ。タグだとジャンル程度の判定しかできないだろうけど、一言コメントを見れば、その楽曲のポイントや水準が推測できる。これによって、自分にあった曲を見つける上で、精度をさらに上げることが出来る。
いつ、この流れが加速するかは分からないけど、とりあえず今回の件で、方向性が見えてきたことは確か。この流れを加速させるのは、ニコニコ動画なのか、YouTubeなのか、Web 2.0企業なのか、それとも他のインディーズサイトなのか、はたまた既存のレコード会社なのか。やっぱり機を見るに敏なニコニコ動画が突っ走ってしまう気がするけど、どうなることやら。