たとえば年100万円稼げますか?

http://d.hatena.ne.jp/essa/20070826/p1

私は、次のようなことを言っています。

1. これから企業の社員の生産性は上がり正規雇用につける人は少なくなる
2. 正規雇用の外で、従来の概念に無いアーチストのような新しい仕事、新しい働き方が増える

この1の部分については、反対が少ないというかむしろ同意する人が多く、反論、批判は2の部分に集中しているようです。

正規雇用の反対側

あんまり反論したくは無いですが、そりゃそうです。「1だから2」というロジックは成り立ちません。
具体例から入りましょう。オリコン訴訟で話題になっている烏賀陽弘道さんが、以前AFPBBにコラムを連載していたことがあります。しかし、ある理由から、連載を打ち切ることになります。

 かつて「出版業界原稿料の最低水準」と揶揄された『週刊K』(匿名希望)が創刊当時「原稿料4000円」を打ち出したとき、ライターたちは「ついにここまで来たか」と絶句、悶絶、昏倒したもんであります。「フリーライター=ビンボー」という図式は、こうした異様な低価格の原稿料によるところが大きい。
 おわかりでしょうか。AFPBBの原稿料はこの『週刊K』を4分の1以下も下回るという、これはもう、プリントメディアの常識がまったく通用しないパラダイム変換的低価格なのです。これでは執筆という労働への正当な対価としての「原稿料」と呼べるかどうかすら怪しい。「おこづかい」と言ったほうがいいのではありますまいか。

みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。

要は、ネット上のコンテンツ製作者は、買いたたかれやすい、ということです。代わりがたくさん(極端な話、プロフェッショナルからニートまで)いるからです。プロフェッショナルなコンテンツを提供できるとアピールしても、相見積りされて月3万円、とか言われるのがオチ、ということです。
情報商財のような「印刷物を売る」形式だと、まだしばらく残るかもしれません。稼いでいる人もそれなりにいるみたいですし。しかしこれらも結局は、旧来の会員制サイトが印刷物の形態をとっているに過ぎません。今はまだ高値で取引されていますが、これも数が増えてくれば、必然的に淘汰の波にさらされます。なので、長期的には、今ほどボロい商売でいることは困難です。
要は、インターネット上の見知らぬユーザに対して価値を提供することで、生活の糧にしよう、というのはそもそも大甘、という事です。簡単に買いたたかれるのですから。まずは、そんな厳しい環境で、年100万円でいいから稼げる人(集団では無く)がどれだけ出てくるか、ということです。アルバイトほどにも稼げないことを時間かけてやるのは、人生を彩る上では良いと思いますが、生活をする、という観点では間違っていると思います。
繰り返しになりますが、id:essaさんは、まず自分のブログにアフィリエイトをベタベタ貼るとか、出版の話を周囲に持ちかけるとかして、自分のブログの「価格」を出すべきだと思います。それで100万円でも稼ぐことが出来たなら、それこそが、わたしが書くような夢の無い反論に対する、この上ない痛烈な一撃になることでしょう。