Web 2.0の本当の勝者

なんだかなあ、という感じだ。今日、改めて、「web 2.0」の8つのデザインパターンを読んでみたのだが、読めば読むほど頭の中で拡散してきて、何が言いたいのか分からなくなってきてしまった。
とにかく、扱っているテーマの一つ一つがバラバラなのだ。突っ込んで考えてみると、バラバラになってしまう。AjaxiTunesAmazonGoogle Adsenseを十把ひとからげにして論じよう、というのがそもそも乱暴な話ではないか。
確かに、「Web 2.0」というコトバからは、時代の先端を行っているイメージが伝わってくる。新技術を駆使するGoogleAmazonの勢いはM&Aに奔走する国内ネット企業とは訳が違う。そんな流れの先に、今まで見たこともない何かがあるんじゃないだろうか、という期待が出るのは、当然のことだと思う。
今Web界隈で流行しているサービスには、10年ほど前の、いわばWeb黎明期には想像もつかなかったようなものが増えてきた。サイト同士が連携したり、多機能なアプリケーションとして振舞うようになったり、面倒なHTMLを書かずとも十分な表現力を得られるようになったり、苦労せずに自分の見たいサイトを探せるようになってきた。Web技術の成熟化により、Web系サービスも洗練され、力を持ってきたのだ。結局、「Web 2.0」とは、「10年前には考えもしなかったようなことができるようになった」Webを、バージョン2.0と呼んだ、というだけのことなのではあるまいか。
ところで、かのマイクロソフトは、その新しいWebの世界に向かってリソースを集中し、攻勢をかける覚悟を固めたようだ。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000050156,20090623,00.htm
Vistaの開発にかまけて、ネットサービスの拡充を怠った結果、Googleなどの新興企業に後れを取ってしまったので、一気に巻き返しを図るぞ、ということなのだろう。思えば、マイクロソフトネットスケープ追撃は凄まじいものだった。最初はダサいブラウザだったインターネットエクスプローラが、2,3年で一気にインターネット界のデファクト・スタンダードにまで上り詰めてしまったのだ。
今回は、グループウェアP2Pに精通しているレイ・オジーを軸に、新体制への変革を推進していくのだとか。Delphiのアンダース・ヘイルスバーグがMicrosoftで高性能言語C#を生み出したように、レイ・オジーも、ハイレベルなアウトプットを生み出してMicrosoftを引っ張っていくのだろう。
さらに、もともとマイクロソフトが進めてきた.NET戦略は「web 2.0」との親和性が高い。「web 2.0」の多くのシステムが採用する、XMLをベースとした異種システム連携は、.NETが切り開いたビジョンといっても過言ではないし、ネットワーク志向、サービス志向、という点でも共通する。
何より、ここぞ、というときのマイクロソフトの底力は凄まじいものがある。今後の激烈な競争の中で、「web 2.0」を本当にモノにするのは、実は、マイクロソフトなんじゃないだろうか、と僕はかなり本気で思っている。