ホワイトバンドって、どうよ。

http://www.hatena.ne.jp/1125584148
僕は、ホワイトバンドについて、たぶん他の多くの人と同じように、当初は「アフリカの子供を救うための募金」だと、ぼんやり認識していた。そっか飢えた子供にお恵みをあげるキャンペーンなのね、と。
でも、「貧しい国の人にお金を恵む」行為について、そんなに褒められた話でもないだろう、とも思っていた。たとえば、これがアフリカじゃなくて北朝鮮だったら、みんなこんなに参加しただろうか。北朝鮮には、それこそ飢えた子供が山のようにいる。けれど、政治体制の問題から、弱者にそれがいきわたる可能性は低いだろう。それこそミサイルに化けてしまうかもしれない。別にアフリカだからそういう問題が無い、ということもない。少なくとも、極端に飢えた子供が大量にいる、ということは、その国の政治体制にも問題があると考えるのが、自然だ。
そんなわけで、確実に弱者を支えるための募金、という説明が無かったホワイトバンドについては、とりあえず対処を見送ることにした。あと、一度300円払えば済んでしまう、という継続性の無さも、不愉快だったしね。300円ぽっちで、何世界に貢献した気になってんだよ!というイライラもあったし。
最近、ホワイトバンドの売上金額の使途が不明である、という指摘が多くのブロガーから出てきた。募金金額がゼロ、というのはいかにもすごい。全てがNGOの活動経費とは、さすがに恐れ入る。
ということで、ホワイトバンドのページを読んでみることにした。確かにホワイトバンド活動の経費とNGOの活動経費だけしかない。募金額はゼロ。国会議員へのロビー活動や宣伝活動なんかに使うんだと。
確かに、300円の募金を100万人くらいがしたところで、たかだかそれは3億円。それよりも政治に働きかけて、数十億、数百億の援助をしてもらったほうが、効果的じゃないか。という考え方は理解できなくも無い。要は、「俺たちに任せろ!300円の募金を30000円分にしてやるぜ!」って事だろう?
そういった、政治的な活動をうまくオブラートに包んで提示した、という点では面白いなと思った。日本じゃ、どうしてもこの手の活動って、左翼系の人たちが多いせいか泥臭くて、近寄りがたいイメージがあったので。そういう意味では、流通経費や製作経費が多いことは悪いことじゃないと思う。そこにカネをかけているから信用できない、という奴は今すぐ、別のルートから募金をすればいいだけだ(信用できるなら、募金するってことでしょ?)。
ただ、募金ゼロで、全てを自分達の活動資金とする、というシロモノである以上、確実に結果責任があると言っていい。これだけ沢山のカネを集めて、「頑張ったけどダメ(援助を増やすことに失敗)でした」という甘えは許されない。株主から資金を集めた経営者が、株主から厳しく経営責任を問われるのと、同じだ。
そういった厳しさが、この活動からはまったく感じられないのがダメだと思う。この活動でカネを得た各団体からも、NGOであるせいか、カネを預かっているという責任感が伝わってこない。こんな奴らには、300円どころか1円であっても、渡そうという気持ちには、なれないな。