Winny続報あれこれ

http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/05/15/0018242
スラドに続報が出てたのでこっちもリンク。弁護士10人による弁護団結成ですか。義援金出そうかな、いやマジで。
ところで、今回のWinny開発者逮捕に怒りを覚えているのは、実際にはWinnyを使っていなかった(もしくは、ほとんど使っていなかった)人が多くて、むしろ、大量にデータを"ぶっこ抜いていた"人のほうが、この問題には無関心なんじゃないだろうか。「使えないなら使えないで仕方ないじゃん」ということなのかもしれないけど。
さて、スラドにはFLMASK裁判についてのコメントがあり、今回はこれがとても興味深かった。FLMASKとは、画像ファイル向けの一種のモザイクだ。このモザイク、復号可能ところがミソで、パスワードを知ってさえいれば、"無修正"画像を拝めるのだ。そんなわけで、一昔前のインターネットではFLMASKで局部を覆ったエロ画像が配信されていた。だが、結局は、このFLMASKの作者も「幇助容疑」で逮捕され、裁判になった。

結局、3年ほどたって、控訴せず有罪で終わりました。
Winnyも同じ道を辿るのでは。
インターネットでは、現在、マスクなんか付けない
もろ画像が流れまくっています。

実際47氏も、

80 名前:47 投稿日:02/04/11 00:26 id:TuaSESIN main/1018434705.html#89
個人的な意見ですけど、P2P技術が出てきたことで著作権などの
従来の概念が既に崩れはじめている時代に突入しているのだと思います。
お上の圧力で規制するというのも一つの手ですが、技術的に可能であれば
誰かがこの壁に穴あけてしまって後ろに戻れなくなるはず。
最終的には崩れるだけで、将来的には今とは別の著作権の概念が
必要になると思います。
どうせ戻れないのなら押してしまってもいいかっなって所もありますね。

なんて事を書いている(47氏発言集(手抜き版)より抜粋)。
現在、すでにTVゲームや映画DVDなどの分野ではデフレが相当進行している。PS2の「Mega Hits!」シリーズならば、5000円を切る価格で最高水準のゲームを遊ぶことが出来るし、映画コンテンツを2,3000円で買うことも可能になった。昔はどちらも8000円とか10000円とか言っていたのに。コンテンツの価値は、すでに下落し続けているのだ。
価格水準が守られているのは再販制度が存在する邦楽CDや書籍、もしくは独占を盾にビジネスをするマイクロソフトのソフトウェア群くらいのものだろう。
近い将来「アタリ・ショック」のような形でコンテンツの価値が一気に暴落する可能性も、決して低くは無いと思う。もしそうなってしまえば、コンテンツビジネスで稼ごうとするプレイヤーが減ることだろうから、P2Pによるコンテンツ共有に対する風当たりも弱まっていくことになるだろう。
中長期的には、携帯キャリアや、オンラインゲーム業者なんかがやっているように、月々いくらの金を会員から取って、「ユーザが望むコンテンツをユーザが望むタイミングで配信すること」を価値とするコンテンツサービス業者が、主流になるのではないかな、と思う。コンテンツそれ自体だけではなく、たとえば会員限定オフ会などのオフラインサービスをセットにすることで、付加価値を高める。いわゆるアーティストのファンクラブみたいな形になるんじゃないかと。
インターネット技術の進歩により、著作権は欠陥を持つようになってしまった。その欠陥をついて時代を前に進めようとしただけの47氏を逮捕したことには、怒りを感じるし、このような事例がこれからも多発して欲しくは無い。世界中のビジネス界で、激烈な競争が行われる時代になったのに、日本では警察が怖くてなかなかアイデアを具体化できない、なんてことには、絶対になって欲しくない。